デュランは大いに悩んでいた。
その悩みの種とは、彼が想いを寄せる少女、ティアの事だ。
彼がティアの事を「好きだ」と自覚したのは、いつ頃の事だろうか。預言書という大きな力を手に入れてもなお変わらない彼女の優しさと笑顔に、彼は次第に惹かれていった。
みんなの勇者になってほしい、と言った彼女の言葉、表情。その全てが、彼の脳裏に焼き付いて離れない。ああ、きっとその頃からなのであろう。この恋心を抱き始めたのは。
だが、同時に彼は怯えていた。この想いは、果たして彼女に届くのだろうか、と。自分は勇者だ、とうそぶいてはいるが、彼は自身の臆病さをよく理解していた。本当は、勇者なんて程遠い存在なのだ。遠い日の思い出が作り出した憧れと願望に過ぎないのだと。
(でも、ここでうじうじしていたら…何も変わらないな)
自身に問う。自分は一体、どうしたいのか。
(僕は、彼女が好きだ。この想いは…誰にも負けない!)
恋愛沙汰に耳聡いビズによると、この街の多くの若者がティアに想いを寄せているという。その当のティア本人はというと、そんな事に全く気付きもせずに笑顔を振りまいている訳で、彼としてはそれ以上敵を増やさないで欲しいと日々やきもきしながらため息をついていた。
そして今、彼は決心する。
(伝えよう、僕の気持ちを。君が好きだ、という気持ちを)
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
デュランは夢に向かって羽ばたいた。
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やっぱあたいにはらぶらぶしいお話なんて書けないよダディ。
文字打つだけでこそばゆくなるなんて初めてだよグランパ。
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